予防接種
予防接種は、細菌やウイルスなどの病原体からつくったワクチンをあらかじめ接種することによって免疫をつけ、特定の病気になりにくくするために行われます。予防接種しておくと、その病気になったときでも軽く済むようになると言われています。ワクチンは感染症の原因となる各種の細菌やウイルスの病原性を弱めたり、それらを無毒化したりしてつくられます。これを注入することによって体内に抗体をつくらせ、当該感染症にかかりにくくし、重症化を防ぐのです。
当クリニックの予防接種
当クリニックではインフルエンザワクチン、帯状疱疹ワクチン、肺炎球菌ワクチンおよび、お子様の予防接種などを行っております。希望される方は事前にお電話でご連絡いただくか、WEB予約・LINE予約をご利用下さい。
予防接種法により定められている定期予防接種は、接種費用が原則として公費で負担され、無料で接種を受けることができます。 また、定期予防接種以外の任意予防接種について、名古屋市の接種費用助成を受けられる場合があります。
当院での任意予防接種価格と名古屋市接種費用助成を受けたときの自己負担金は以下の通りです。
- お子様の予防接種、表にない予防接種(定期・任意)や助成なしでの予防接種につきましてもお気軽にご相談下さい。
種類 | 価格 (自己負担金) |
備考 | ||
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任意 | おたふく | 1回目 | 3,000円 | ①名古屋市に住民登録がある方 ②1歳から小学校就学前年度相当年齢まで(令和3年度は平成27年4月2日以降生まれ)の方 ③これまでにおたふくかぜの予防接種を受けたことがなく、おたふくかぜにかかったことが無い方 ①~③を満たす方について1回目は名古屋市より補助あり |
2回目 | 5,000円(税込) | |||
任意 | インフルエンザ | 大人 | 3,500円(税込) | |
子供1回目 | 3,500円(税込) | 13歳未満 | ||
子供2回目 | 3,000円(税込) | 13歳未満(当院での2回目の場合) ※他院で1回目の後に当院での2回目接種の場合は3,500円(税込) |
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高齢者 |
令和6年度1,500円 (令和6年10月15日から令和7年1月31日まで) |
※名古屋市民で①か②の方が対象です。 ①接種日において満65歳以上の方 ②接種日において満60歳以上65歳未満で心臓・腎臓・呼吸器の機能またはHIVによる免疫機能により身体障害者手帳1級相当の障害を有する方。 ※上記以外の方は3,500円(税込)となります。 |
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任意 | 帯状疱疹 | シングリックス | 10,800円 | 名古屋市に住民登録がある方、50歳以上、2回接種 ※2回接種で合計21,600円 |
ビケン | 4,200円 | 名古屋市に住民登録がある方、50歳以上、生ワクチン | ||
任意
・ 定期 |
肺炎球菌 | 4,000円 ※助成なし8,000円(税込) |
65歳以上、名古屋市の助成は一度のみ ※定期接種も自己負担額は同額 ※脾臓の摘出手術を受けた方は健康保険適用となる場合があります |
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任意 | 風しん | 第5期 | 無料 | ①昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性の方 ②事前の抗体検査の結果、風しんに対する免疫が不十分と判断された方 ①と②を満たす方は抗体検査・予防接種ともに無料 |
定期 | 子宮頸がん | シルガード9 | 無料 | ①定期接種:小学校6年生から高校1年生相当の女子 ②キャッチアップ接種:平成9年4月2日~平成19年4月1日生まれの女子 |
インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症です。このウイルスに感染すると1~3日くらいの潜伏期間を経て発症し、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などの全身症状が現れます。併せて普通の風邪と同じように、喉の痛み、鼻水、せきなどの症状も見られます。高齢者や基礎疾患をもつ方では肺炎を併発するなど、重症化するケースがあるので、特にワクチン接種をお勧めします。
帯状疱疹
水ぼうそう(水痘)にかかったことのある方に、体や顔の一部にピリピリとした痛みが現れ、その部分に帯状に水ぶくれを伴う赤い発疹が生じることがあります。帯状疱疹と呼ばれ、水ぼうそうの原因ウイルスが体内に潜んでいて、免疫力が落ちた時などに発症します。日本人成人の90%以上が帯状疱疹になる可能性があり、特に50歳以降に起こりやすくなります。
頭や顔に帯状疱疹が生じると、めまい、耳鳴りなどの症状を起こしたり、重症化すると視力の低下や顔面神経痛などの後遺症を残すことがあります。帯状疱疹は治った後も痛みが長期間残ることがあり、帯状疱疹後神経痛(PHN)と言われています。50歳以上で帯状疱疹になった方の約2割がこのPHNになると言われていますので予防接種による対策が重要です。
帯状疱疹を予防するワクチンは二種類あります。シングリックスは 2 回の接種が必要で、水痘ワクチン「ビケン」と比較すると接種費用はかかりますが、50 歳以上のいずれの年齢層でも高い予防効果が示されています。また、シングリックスは不活化ワクチンのため、他のワクチン(不活化・生ワクチンいずれも)と接種間隔を空ける必要はありませんが、水痘ワクチン「ビケン」は生ワクチンのため、次の生ワクチン投与には27日以上間隔をあける必要があります。さらに、シングリックスは免疫抑制をきたす治療を受けている方などでも接種が可能となっています。
肺炎球菌
肺炎は主に細菌やウイルスなどの病原微生物が肺に感染して炎症を起こす病気です。呼吸器の防御機能が病原微生物を排除できなかった場合や、病気やストレスなどのために免疫力が落ちている時など、つまり感染力が防御力を上回った際に、病原微生物が上気道から下気道、そして肺にまで入り込んで感染し、肺炎になってしまうのです。このリスクを減らすためにできることの一つに、肺炎球菌ワクチンの接種があります。
接種は、1年を通していつでも可能です。ただし、接種後5年以内に再接種を行うと、注射部位の痛みが強く出るケースがありますので、再接種を希望される方は、5年以上の間隔を空けてください。接種の年月日は、忘れないようにメモに残しておきましょう。
子宮頸がん
子宮頸がんの95%以上はヒトパピローマウイルス(HPV)による感染が原因です。性的接触によって感染し、数年から数十年たった後に子宮頸がんに進行すると考えられています。現在日本では年間約1万人が子宮頸がんになり、約2800人が命を落としています。特に30歳から50歳の若い世代で増えており、治療で完治してもその後の妊娠・出産に影響することも問題となっています。
子宮頸がんは多くの「がん」の中で、最も予防しやすい「がん」でもあります。子宮頸がんワクチン接種が進んだ国では90%近くの発症予防効果を示す報告もあります。子宮頸がん予防に最も重要なことは、性的接触の起こる前にワクチンを打つことです。15歳までに接種を済ませることが強く勧められます。HPVワクチン接種と子宮頸がん検診によって、子宮頸がんで命を落とす女性を限りなくゼロに近くすることができると考えられています。保護者の方も子宮頸がんワクチンの意義を十分にご理解いただき、打ち忘れのないよう、お願いいたします。
令和5年4月より、9価ワクチンである「シルガード9」の定期接種が開始となりました。シルガード9は従来のワクチンより多くのHPV型に対応しており、90%以上の子宮頸がん予防効果が期待できます。15歳までに1回目を接種した方は2回、それ以外の方は3回の接種となります。1回目、2回目に従来のワクチンを接種した方は原則同じワクチン接種となりますが、ご希望の方はシルガード9の接種に変更可能ですのでご相談下さい。