がん検診
ご承知の方も多いと思いますが、がんは生命に関わる病気です。非常に多くの方ががんに罹患し、がんが原因で死に至ります。実際、日本人の死亡原因の第1位は、長年にわたってがんが占めています。もっとも、早期に発見し、早期に治療を開始すれば死亡リスクを下げることも十分に可能です。以前は死亡率が非常に高かった胃がんも、現在ではかなり治療成績が向上しており、早期の段階に治療すれば内視鏡治療(胃カメラによる治療)や腹腔鏡手術などでほぼ治るようになりました。しかし、進行した場合は完治が困難になります。大腸がんや乳がんなども同様です。
がん検診は、このようなリスクを出来るかぎり引き下げ、早期発見・早期治療につなげるために行われます。胃がんや大腸がんは、早期はもちろん、かなり進行したケースでもなかなか自覚症状が出にくいと言われています。加齢とともに罹患リスクが高まっていきますので、40歳を過ぎたころからきちんと胃がん検診、大腸がん検診を受けるようお勧めいたします。
なお、当クリニックでは総合病院等でがん治療を受けられた方に合わせた診療も行っています。がんの手術などを行った後は定期的に身体の状態をチェックすることが大切ですが、当クリニックでは地域の総合病院と連携して診療や検査を行っていきますので、お気軽にご相談ください。
各種がん検診につきましてはLINE・WEB予約から随時受付けております。ご不明点のある場合には窓口あるいは052-691-5888までご相談下さい。
消化器がん検診を行っています
当クリニックでは消化器がん検診として、胃がんと大腸がんの検診を行っています。名古屋市が実施している胃がん検診(内視鏡)と大腸がん検診に則った方式でチェックしていきます。検診をご希望の方はクリニックの窓口・お電話でご相談いただくほか、LINE・WEBで随時予約可能です。
なお、名古屋市では一定の要件を満たした方を対象として、自己負担金500円で胃がん検診を受けることが出来ます(自己負担金免除制度の対象者は無料です)。市内に居住地を有する40歳以上の方で、前年度に名古屋市の胃がん検診(内視鏡検査)を受けておらず、勤務先などで胃がん検診を受ける機会がない方は、原則として胃がん検診のエックス線検査を受けられます。同じく50歳以上の方に関しては、胃がん検診の内視鏡検査を受けられる場合があります。大腸がん検診についても、胃がん検診と概ね同じような要件を満たした方に対し、自己負担金500円で受けることが出来ます。胃がん検診、大腸がん検診の詳細に関しては、名古屋市の健康福祉局健康部健康増進課のホームページなどでご確認ください。
胃がん検診(内視鏡検査)
- 対象
名古屋市内居住の50歳以上の方で前年度に名古屋市の胃がん検診(内視鏡検査)を受けていない方
- 胃に関する症状の無い方が対象です。
- 胃の手術を受けた方や心臓のご病気のある方などは対象除外になる場合があります。
- 実施内容
問診、胃内視鏡検査
- 名古屋市の胃がん内視鏡検診では鎮静剤の使用は認められていません。
- 自己負担金
500円
- 生検による組織検査が必要と判断された場合には生検・病理検査は健康保険で行われます。その際、自己負担金の増額となります(500~4,000円程度)。
大腸がん検診
- 対象
名古屋市内居住の40歳以上の方
- 実施内容
問診、免疫便潜血検査(2日法)
- 自己負担金
500円
乳がん検診も行っています
定期的に乳がん検診を受け、早期の段階で乳がんを見つけられたならば、乳房を温存する治療法を選べる可能性が高く、生活の質(QOL)を維持することも不可能ではありません。当クリニックでは乳がん検診(乳房超音波検査)も行っておりますので、希望される方はお電話にてご予約下さい。
なお、名古屋市では一定の要件を満たした方を対象として、自己負担金500円で乳がん検診を受けることが出来ます。市内に居住地を有する40歳以上の女性であり、前年度に本市の乳がん検診を受けておらず、勤務先などで乳がん検診を受診する機会のない方が対象です。詳しくは名古屋市健康福祉局健康部健康増進課までご確認ください。
乳がん検診(超音波検査)
乳がんは女性で最も多いがんです。乳がん検診にはマンモグラフィと超音波検査が行われていますが、当院では超音波検査による検診を行っています。
乳房超音波検査はエックス線の被ばくがなく、妊娠中や乳腺の発達している40歳以下の方でも検査可能です。また小さなしこりを見つけるのに優れた検査です。なお、細かい石灰化と言われる変化を見つけるにはマンモグラフィの方が優れています。
超音波検査では診察台の上に仰向けになり、皮膚にゼリーを塗って、超音波プローブという器械を皮フにあてて乳房の内部を観察します。痛みはなく、体への負担はほとんどありません。検査中は、画面を見やすくするために、診察室を暗くして行います。数ミリの小さな腫瘤(しこり)を見つけたり、しこりの形や様子が詳しく分かる検査です。
- 検診方法
問診、診察、乳房超音波検査
- 料金
4,400円(税込)
- 細かい石灰化についてはマンモグラフィなどが有効です。
- 乳腺の痛み・しこりなどの症状がある方は保険診療となりますのでご相談下さい。
その他の検診
前立腺がん検診
前立腺がんは日本の男性において、胃がん、大腸がんに次いで3位の数となっています(2011年罹患数)。前立腺がんにかかる率は、55歳以上で増加しますが、早期前立腺がんに目立った症状はないため、血液検査による発見が重要です。
- 対象
名古屋市内居住の50歳以上の男性
- 実施内容
問診、前立腺特異抗原(PSA)検査(血液検査)
- 自己負担金
500円
ピロリ菌検診
ピロリ菌は幼少期に胃に感染するとされ、ほとんどの胃がんの原因となっています。日本では6000万人に感染しているとされ、早期発見・早期除菌が胃がん予防に重要です。特に若い世代から次の世代への感染を防ぐ必要があり、名古屋市在住の20代・30代の方は無料で検査を受けられます。
- 対象
名古屋市内居住の20歳以上39歳以下の方(年度末時点の年齢)
- 実施内容
問診、ピロリ菌抗体検査(血液検査)
- 自己負担金
無料
- 陽性の場合には胃カメラを行った上で薬の内服による除菌治療を開始します(保険診療となります)。
肝炎検診
日本国内でB型肝炎・C型肝炎ウイルスに感染している方は療法併せて300万人ほどとされます。肝がんの多くは肝炎ウイルスが原因のため、ウイルス感染の有無を把握することは重要です。特にC型肝炎は現在飲み薬による治療で95%以上の高い確率でウイルス除去が可能です。これまで肝炎ウイルス検査を受けたことの無い方、特に過去に何らかの理由で輸血をうけたことのある方、入れ墨・タトゥーを入れた経験のある方はぜひ検診を受けて下さい。
- 対象
名古屋市内居住で今まで一度も肝炎ウイルス検査を受けたことの無い方
- 実施内容
問診、B型肝炎ウイルス抗原検査およびC型肝炎ウイルス抗体検査(血液検査)
- 自己負担金
無料
緩和医療について
当クリニックでは、名古屋大学医学部附属病院でがんに関する研究・臨床経験を積んできた院長が中心となり、緩和医療を行っています。終末期の患者様は勿論ですが、それほど痛みが強くない方に対しても、症状に応じてお薬を処方いたします。がんは生命予後に大きな影響を与えることもある疾患ですが、疼痛を和らげることによってQOL(生活の質)の低下を緩やかにすることが出来ます。院内での治療が難しい領域に関しては、提携している病院などの専門施設と連携して対応してまいります。詳しい内容は当クリニックまでご相談ください。