内科系疾患に幅広く対応

みなみ内科・外科クリニックではかぜ、腹痛など一般的な急性疾患について診療いたします。また、糖尿病や高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症などの慢性疾患でお悩みの方、健診で要精査・要受診となった方もお気軽にご相談ください。
はっきりとした体調不良が出ているときはもちろん、「体調が芳しくないのだが、どの診療科を受診すればよいのか分からない」というような場合も、まずはご相談下さい。患者様の症状を踏まえたうえで診察・検査を行い、必要に応じて専門の診療科をご紹介いたします。
みなみ内科・外科クリニックは、愛知県に指定された「第二種協定指定医療機関」として、感染症に対応する発熱外来や予防に積極的に取り組んでいます。この体制により、過去の受診歴の有無にかかわらず、発熱や感染症が疑われる症状をお持ちの方を幅広く受け入れることが可能です。
感染症の拡大を防止するため、当クリニックでは以下のような対策を実施しています:
- 発熱患者専用の動線確保:クリニック内に発熱外来用の個室を設け、一般外来と動線を分離しています。
- 徹底した感染防止対策:診察室や待合スペースの消毒を徹底し、必要に応じて防護具を着用して診療を行っています。
- 迅速な検査対応:新型コロナウイルスの抗原検査やPCR検査をはじめ、各種検査を迅速に実施しています。
発熱や感染症が疑われる症状がある方は、来院前にお電話またはWEB・LINEで「発熱外来」の予約をお取りいただきますよう、ご協力をお願い申し上げます。
- 内科の主な診療内容(急性疾患)
- 風邪症候群 インフルエンザ 発熱 腹痛 下痢 吐き気 咽頭炎 扁桃炎 気管支炎 肺炎 尿道・膀胱炎 熱中症 など
- このような症状はご相談を
-
- 高熱が出た、熱が下がらない
- 咳、鼻水、のどの痛みがある
- 胸やけがする
- 食欲がない、これまで好きだった食べ物が喉を通らない
- 食べているのに体重が減っていく
- 胸が痛い、圧迫感がある
- 頭が痛い、頭がモヤモヤする
- 立ちくらみ
- 少し身体を動かしただけでも動悸、息切れする
- 肌がむくんできた、発疹がある
- 喉が頻繁に乾き、水をよく飲む
- 尿に異常がみられる(出にくい、近い、量が多い、血が混じる)
- 疲れやすくなった、身体がだるい
- 体重が増えてきた、または痩せてきた
- 慢性疾患の生活習慣病
- 糖尿病 高血圧症 脂質異常症 高尿酸血症 など
糖尿病
糖尿病は、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が慢性的に高くなる病気です。主に、血糖を調整するホルモン「インスリン」の作用が不十分になったり、分泌量が減ったりすることが原因です。初期には自覚症状が乏しいため、気づかないうちに進行することが多く、早期発見と継続的な管理が重要です。
糖尿病の種類
糖尿病には、以下のようなタイプがあります。
- 1型糖尿病
- 自己免疫などの影響で、膵臓のインスリンを作る細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなるタイプです。インスリン治療が必須となります。
- 2型糖尿病
- インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)または分泌量が減ることで発症します。生活習慣との関連が深く、日本人に最も多く見られるタイプです。
- その他の糖尿病
- 妊娠中に発症する「妊娠糖尿病」や、他の病気・薬剤の影響による糖尿病もあります。
糖尿病の現状と課題
現在、日本では糖尿病の治療を受けている方が約552万人、予備群を含めると約2000万人にのぼり、国民病ともいえる状況です。特に高齢化に伴い、今後さらに患者数の増加が予想されています(※2023年時点)。糖尿病が長期間にわたり続くと、以下のような合併症を引き起こす可能性があります。
- 細小血管障害:網膜症(失明の原因)、腎症(透析導入の要因)、神経障害(しびれや痛みなど)
- 大血管障害:心筋梗塞や脳卒中
- 急性合併症:著しい高血糖や低血糖による意識障害
これらの合併症は生活の質(QOL)を大きく損ない、医療費や社会的負担の増加にもつながります。
治療と近年の進歩
糖尿病の基本的な治療は、食事療法・運動療法・薬物療法の三本柱です。最近では、低血糖リスクが少なく、効果的に血糖を下げる新しい薬剤も登場しています。
- 新しい内服薬・注射薬
- DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、さらに2023年に登場したGLP-1/GIPデュアル作動薬などは、血糖管理と体重減少の両面で期待されています。
- インスリン治療の進化
- 週1回の注射型インスリンや、持続血糖測定器(CGM)・インスリンポンプの普及により、治療の負担が軽減されています。
- 1型糖尿病に対する先端医療
- 幹細胞由来の膵島移植、人工膵臓、免疫調整薬による発症予防など、将来を見据えた治療研究も進行中です。
HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは?
HbA1cは、過去1〜2か月間の平均的な血糖状態を表す指標です。日々の血糖変動に左右されにくく、長期的なコントロールの評価に適しています。
なぜHbA1cの測定が大切なのか
- 血糖コントロールの「成績表」になる
- HbA1cを定期的に測ることで、日々の生活の影響や変化を数字で確認できます。
- 合併症リスクの評価に役立つ
- 高値が続くと合併症のリスクが高まり、良好に保てれば予防につながります。
- 治療方針の調整に活用できる
- 目標値を超えている場合は、食事・運動・薬の見直しにつなげます。
当院での取り組み
当院では、HbA1cや血糖値を院内で迅速に測定し、その結果をもとに当日中にきめ細やかな診療を行っています。
また、糖尿病の早期診断から生活指導、薬物療法まで一人ひとりに合わせた対応を行っています。
定期的な血液検査や生活習慣の見直しを通じて、患者さまの健康維持をしっかりサポートいたします。
糖尿病は、正しく向き合えば合併症を防ぎながら健康に過ごすことができる病気です。
健康診断で血糖値を指摘された方や、気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
高血圧症
高血圧は、血圧が適切な範囲を超えてしまい、長期間高い状態が続く病気です。クリニックや病院で測定した血圧が上が140/下が90mmHg以上、または家庭で測定した血圧が、上が135/下が85mmHg以上の場合、医療機関での治療が必要となります。高い血圧が続くと、血管壁がダメージを受け、動脈硬化の原因となります。これがさらに、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、腎臓病などのリスクを高めます。
高血圧の原因は一つではありませんが、遺伝的要因や、塩分の多い食事、喫煙、アルコールの過剰摂取、運動不足、ストレスなどが関係しています。多くの場合、原因は特定できませんが、腎臓や血圧に関わるホルモンの問題、血圧を上げる腫瘍などが原因であることもあります(二次性高血圧)。健康診断で高血圧が指摘された場合は、これらの原因を調べるためにも早めに受診してください。
治療では、まず適正な体重を目指し、適度な運動を続け、1日に摂取する塩分を6g未満に抑えるなど、生活習慣を見直します。それに加え、血圧の状態に応じて薬を使った治療も行います。
代表的な薬剤は以下の通りです。
- ACE阻害薬(エース阻害薬)
- このグループの薬は血管を拡張し、血液が体を通過するのを容易にします。これにより血圧が下がります。代表的な薬剤にはリシノプリルやエナラプリルがあります。
- ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)
- ARB薬も血管を拡張し、血液の流れを改善します。ロサルタンやバルサルタンがこのグループの一部です。
- カルシウムチャネルブロッカー
- これらの薬はカルシウムの流れを制限し、心臓の筋肉がリラックスします。これにより、血圧が下がります。アムロジピンやニフェジピンがこのカテゴリに含まれます。
- 利尿薬
- 利尿薬は余分なナトリウムと水分を体から排出し、これにより血圧を下げます。ヒドロクロロチアジドやフロセミドがよく用いられます。
- β遮断薬
- これらの薬は心拍数を減少させ、心臓が血液をポンプするのを助けます。これは血圧を下げるのに役立ちます。ビソプロロールやアテノロールがこのグループに含まれます。
- α遮断薬
- α遮断薬は血管を拡張し、血液がスムーズに流れるのを助けます。ドキサゾシン・プラゾシンなどがこのカテゴリに含まれます。
日々の血圧の変化を確認しながら、治療内容を適宜調整していきます。患者さんに合った治療方法や薬の組み合わせを見つけることが大切です。適切な治療を受けることで、高血圧のリスクを減らし、健康な生活を送ることができます。もし高血圧が気になる場合は、まずは医療機関に相談してください。
脂質異常症
脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪の濃度が高くなる病気です。これが長期間続くと、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中の原因になります。過剰なカロリー摂取、タバコやお酒の過剰摂取、運動不足などが脂質異常症のリスクを高めるため、注意が必要です。
悪玉コレステロール(LDL-C)が高い場合、心臓や脳の動脈硬化による病気のリスクが特に高まります。また、中性脂肪が高い、善玉コレステロール(HDL-C)が低い状態も脂質異常症に含まれます。
脂質異常症の治療には、生活習慣の改善と薬物療法が基本です。生活習慣の改善は、血中脂質を下げるだけでなく、動脈硬化の進行を防ぐ効果もあります。栄養バランスの良い食事、適正体重の維持、適度な運動、禁煙などが大切です。
特に重要なのが食生活の改善です。動物性脂肪を含む食品を減らし、植物性脂肪を含む食品を増やすこと、野菜やきのこ類など食物繊維が豊富な食品を積極的に摂ること、お酒を控えることが効果的です。
薬物療法では、病状に応じて以下の薬が使われます。
薬の種類 | 効果 |
---|---|
スタチン | コレステロールの生成を抑える |
フィブラート | 中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす |
エゼチミブ | コレステロールの吸収を抑える |
ω-3脂肪酸エチル | 中性脂肪を減らす |
生活習慣の改善と薬物療法を組み合わせることで、脂質異常症の治療効果を最大限に引き出すことができます。まずは生活習慣の改善を試み、それでも血中脂質が改善されない場合には、医師の指導のもとで薬物療法を開始することが一般的です。
脂質異常症は、自覚症状がほとんどないため、定期的な健康チェックが大切です。血液検査によって血中脂質の状態を把握し、適切な治療やケアを受けることが重要です。
高尿酸血症・痛風
高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態を指します。
尿酸は「プリン体」という物質が体内で分解される過程で作られ、通常は腎臓や腸から体外に排出されます。しかし、尿酸が過剰に産生されたり、排泄がうまくいかなかったりすると、血中の尿酸値が慢性的に高くなってしまいます。
この状態が続くと、体内に尿酸が結晶として蓄積され、痛風の発作や腎障害・尿路結石などの原因になることがあります。
痛風とは
痛風は、関節内にたまった尿酸の結晶によって炎症が起きる病気です。 代表的な症状は、足の親指の付け根の激しい痛みと腫れで、突然発症することが多く、「布団が当たるだけで痛い」と表現されるほどの強い痛みを伴います。
発作を繰り返すことで、関節の変形、腎機能の低下、皮下にできる「痛風結節」など、慢性化・重症化することもあるため、適切な治療と管理が大切です。
日本での患者数
- 痛風の患者数:約130万人(2022年時点)
- 高尿酸血症の推定患者数:約1300万人(6人に1人)
食生活の欧米化や肥満、運動不足、そして高齢化を背景に、年々増加しています。特に中高年男性に多く見られます。
高尿酸血症・痛風のリスク
- 合併症
- 痛風や腎障害、尿路結石だけでなく、高血圧、脂質異常症、メタボリックシンドローム、心筋梗塞や脳卒中などの生活習慣病とも深く関わっています。
- 慢性化
- 発作を繰り返すことで、関節の変形や腎機能障害、さらには痛風結節などを引き起こす可能性があります。
- 生活習慣との関連性
- プリン体を多く含む食品の摂取、アルコール、肥満、運動不足などが大きく関与しており、日常生活の見直しが治療の第一歩です。
治療について
生活習慣の改善
- 食事:プリン体を多く含む食品(レバー・魚卵・アルコールなど)を控えめに
- 水分摂取:水分を十分にとることで尿酸の排出を促します
- 運動:無理のない範囲での有酸素運動や減量が効果的です
薬物療法
【発作時の治療】
急な痛みや腫れには、消炎鎮痛剤(NSAIDs)やコルヒチン、ステロイドなどを使用します。 ※発作中は、原則として尿酸値を下げる薬の新規投与は行いません。
【発作の予防・長期管理】
発作が治まった後、尿酸値を6.0mg/dL以下に保つことを目標に、以下の薬剤を使用します。
- 尿酸生成抑制薬:アロプリノール、フェブキソスタットなど
- 尿酸排泄促進薬:ベンズブロマロン、プロベネシドなど
症状がなくても継続的な治療が必要です。自己判断で中断すると、再発や合併症のリスクが高まります。
新しい治療薬「ユリス(ドチヌラド)」について
ユリス(一般名:ドチヌラド)は、2020年に日本で発売された新しい尿酸降下薬で、以下のような特徴があります。
- ユリスは「選択的尿酸再吸収阻害薬(SURI)」に分類されます。
- 腎臓のURAT1(尿酸トランスポーター1)の働きを抑えることで、尿酸の再吸収を防ぎ、尿中への排泄を促進します。
- 腎臓への負担が少なく、尿路結石のリスクにも配慮された薬剤です。
- 通常は0.5mgから開始し、効果や副作用を見ながら2mgまで増量します。1日1回の内服薬で、徐々に尿酸値を下げていくことが重要です。
- 初期には痛風発作が起こることがあります。
- 関節痛や四肢の不快感などがみられることがあります。
当院での取り組み
みなみ内科・外科クリニックでは、患者さま一人ひとりの体質や症状に応じて、ユリスをはじめとした尿酸降下薬を適切に選択し、生活習慣の指導や定期的な血液検査とあわせて、痛風や合併症の予防・管理を行っています。
健康診断で尿酸値が高いと指摘された方や、関節の痛み・腫れが気になる方は、ぜひご相談ください。
高尿酸血症や痛風は、「痛み」の病気であるだけでなく、全身の健康にも影響する生活習慣病です。
現在では、新しい治療薬の登場により、より安全で効果的な管理が可能になっています。
「症状がないから大丈夫」と思わず、早期からの予防と継続的な治療を心がけましょう。